交通整理と交通誘導の違いとは?仕事内容や働く人、現場の違いを解説
道路や工事現場、商業施設などでは人や車両を誘導する警備員が立っているのをよく見かけるでしょう。
人や車両を誘導する仕事には、交通整理と交通誘導の2種類があります。
交通整理と交通誘導の仕事内容はほぼ同じですが、実は働く人や仕事内容、担当現場や法的な点で違いがあるのです。
同じ仕事と思われがちな交通整理と交通誘導は、実際には大きく異なるため、それぞれの違いを押さえておきましょう。
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交通整理と交通誘導の違い①働く人
まずは、交通整理と交通誘導の働く人の違いをみていきます。
【交通整理で働く人】
交通整理で働く人は、警察官や交通巡視員です。
交通整理とは、道路交通法の「警察官等の交通規制」に定められた行為です。
法的拘束力を持つ行為であることから、警察官や交通巡視員が対応します。
なお、交通巡視員とは道路交通法に定められた警察職員のことです。
都道府県によっては警察官と統合されており、職務権限が交通関係に制限されている点が特徴です。
【交通誘導で働く人】
一方、交通誘導で働く人は一般の警備員です。
交通誘導にあたる警備員は、交通誘導員や交通誘導警備員と呼ばれます。
交通誘導は道路交通法に基づく行為ではないため、警察官や交通巡視員が行う交通整理のように法的拘束力はありません。
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交通整理と交通誘導の違い②仕事内容
次に、交通整理と交通誘導の仕事内容の違いをご紹介します。
【交通整理の仕事内容】
交通整理の仕事内容は、信号機が機能しなくなった道路・交差点での手信号や誘導棒を用いた人・車両の誘導です。
大きな事故や停電、自然災害などで信号機が機能しなくなると、交通整理として現場に警察官や交通巡視員が配置されます。
信号機が機能しない現場では、人や車両は必ず警察官や交通巡視員の誘導に従わなければなりません。
前述したように交通整理は法的拘束力のある行為であるため、従わない場合は道路交通法違反として罰則金の支払いや減点の対象になる可能性があります。
【交通誘導の仕事内容】
交通誘導の仕事内容も同じく人・車両の誘導ですが、交通整理のように法的拘束力や強制力がない点が大きな違いです。
道路や人の流れを見ながら、事故が起こらないよう通行人や車両を誘導します。
ただし、警備員の行う交通誘導はあくまで任意的な協力要請です。
そのため通行人や車両が従わなくとも、交通法規を守っていれば罰則を受けることはありません。
交通整理と交通誘導の違い③現場
交通整理と交通誘導は法的拘束力に違いはあるものの、人・車両を誘導する点では同じ行為です。
一方で担当する現場に違いがあるため、ここではそれぞれの担当現場をご紹介します。
【交通整理の現場】
交通整理の現場は、信号機が動かないまたは信号機に従うべきではない道路です。
信号機が動かないケースは、自然災害に伴う故障や停電が挙げられます。
一方、信号機に従うべきでないケースは、事故や事件による道路の一時封鎖などが該当します。
つまり、交通整理が行われる現場は信号機のある道路のみです。
【交通誘導の現場】
交通誘導の現場は、道路工事や建設工事などの工事現場周辺、人通りや交通量の多い商業施設周辺、花火大会やコンサートなどのイベント会場周辺とさまざまです。
道路工事現場周辺では片側通行や通行止めのための誘導、建設現場周辺では現場内への工事車両の誘導や一般車両・歩行者の安全通行のための誘導を行います。
そして、商業施設では駐車場周辺でのお客さんや一般通行人の誘導を実施。
イベント会場は通行量も多いため、歩行者や車両が事故なく安全に動けるように誘導します。
交通整理のアルバイト体験談
交通整理の仕事体験談|働いて良かったこと
[20代 男性]
休み時間が少なく、暑い中立っているのは大変でした。
けれど、14時過ぎには現場の仕事が終了。
それでも1日分の賃金はしっかり支払われました。
現場によっては早く終わることがあるようで、それでも1日分の賃金は払われる点はお得です。
交通整理の仕事体験談|働いて良かったこと
[40代 男性]
交通量の少ない現場に当たった時は、ただ立っているだけなのでとても楽です。
また暇な現場は1人で担当することもあるので、気楽に働けます。
交通整理の仕事体験談|働いて大変だったこと
[30代 男性]
炎天下の中、市長選の投票所の交通誘導をしました。
長時間労働がきついだけでなく、真夏の日中だったのでかなり大変でした。
現場ではお互い声かけして休憩をとりますが、それでも倒れる人が出ることもあるようです。
よくある質問
- ガードマンは交通整理をしている人のことですか?
- ガードマンとは、工事現場や交通整理の現場で先頭に立って安全を守る役割を持ちます。
交通整理の現場でもガードマンを見かけることがありますが、道路交通法に基づく交通整理を行えるのは警察官や交通巡視員のみです。
ガードマンは交通誘導員のような警備員に近いポジションであるため、ガードマンの行う交通整理に強制力や法的拘束力はありません。 - バイトで交通整理はできますか?
- バイトでできるのは、警備員が担当する交通誘導です。
まれに交通整理と記載されることがありますが、交通整理ができるのは警察官や交通巡視員です。
無資格のバイトができるのは工事現場や商業施設などでの交通誘導となります。
交通誘導のバイトは夜勤求人も多いため、稼ぎたい方にはおすすめです。
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交通整理と交通誘導の法的な違い
これまでもお伝えしているように、交通整理と交通誘導では指示の強制力に法的な違いがあります。
交通整理は道路交通法第6条「警察官等の交通規制」に基づき、公権力を行使する行為です。
そのため交通整理での指示は強制力を伴う命令であり、ドライバーは交通整理で指示に従わないと法律違反に当たる可能性があります。
一方で一般の警備員が行う交通誘導には法的拘束力はなく、警備員の指示は任意の協力要請となります。
しかし、交通誘導員の指示にミスがあったり、ドライバーが従わないことで事故につながる可能性は十分にあります。
法的に強制力はないものの、交通誘導の役割は非常に重要です。
指示に従ってもらうためにも、丁寧に協力をお願いすることが求められます。 -
交通整理・交通誘導をするのに資格は必要?
最後に、交通整理・交通誘導するにあたり必要な資格をご紹介します。
【交通整理に必要な資格】
交通整理ができるのは警察官または交通巡視員であるため、国家資格が必要です。
警察官になるには警察官採用試験を突破し、警察官として採用される必要があります。
そして交通巡視員は、警察官と同じく国家試験です。
都道府県が実施する試験に合格することで県内の警察署に配属されます。
【交通誘導に必要な資格】
交通誘導をするにあたり、必須で必要な資格はありません。
一方で交通誘導に関する資格には、国家資格である交通誘導警備業検定があります。
交通誘導警備業検定には2級・1級があり、一般道での交通誘導には交通誘導警備業検定2級以上の警備員を配置させる義務が課せられています。
交通誘導警備業検定2級は誰もが受験でき、1級は2級取得後に1年間交通誘導に従事することで受験可能です。
資格があれば給料アップやキャリアアップにもつながるため、まずは2級の取得を目指してみましょう。
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